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ギョウジャニンニク

Allium victorialis ver. platyphyllum

2007/3/27    種は飛ばず固まって生えることが多い
2007/3/27    ジャノヒゲとの混植

2007/2/10    かなり早い時期から新芽がでる

2007/3/4     新芽展開直後

2007/4/21    根元は赤くなる

2007/4/21    花茎の先端の蕾

2007/5/26    さらに中から小さな蕾が出る

2007/6/6    開花の様子
近畿地方以北の深山の沢沿いなどの林下に生える多年草です。特に北海道に多いようです。
全草に強いニラとニンニクを混ぜたような臭いがあって山岳信仰の行者が荒行に耐える体力を
つけるために食べたのが名前の由来になっています。
30cmほどの花茎を伸ばし先端に白〜淡紫色の花をつけ全体は球形でネギボウズのようになります。
葉は未開花株で1〜2枚、開花株で2〜3枚付け長楕円形で大きくなり20-40cmほどまでになります。
キトビロ、アイヌネギといった別名もあり特にアイヌネギのほうが通じやすい場合もあります。
近年人気が急上昇し知名度も上がって採取する人も多くなり本州では人が簡単に入れるような場所では
見かけず北海道でも数が減ってきて自生のものを採取するのは困難になってきているようです。
栽培も盛んになりスーパーなどでも普通に売られてるのが見られるようになりましたが
まだまだ価格が高く野菜感覚では買えない高級山菜の位置付けにあるようです。

利用法

全草が食用になります。販売されているものは新芽の葉が出かけているものが多いですが
葉が成長してからも食用にすることができます。花茎、蕾、花も食用にできるそうです。
副芽を出さず収穫した後は翌年までそのままになりますので葉を一枚だけ収穫する方が
株にとってはダメージが少なくなります。地上部全部を収穫する場合は弱りますので同じ株は
翌年収穫しないで隔年収穫するようにしてください。
根元の赤い部分も食べられますが薄皮が付いている場合はは取り除いてから調理します。
一般的な利用法は生のまま鱗茎付きで味噌などをつけて食べたり天ぷら、おひたし、和え物
汁物、漬け物、炒め物、ニンニクの代わりに餃子に入れると言うのも良く見かけます。
そのほかニンニクと同じように色々な料理に幅広く使うことができます。
個人的には醤油漬けがご飯ともお酒とも良く合い一番好きな調理法です。
毒草のスズランやバイケイソウと間違えられることもありますので収穫の際には十分注意をしてください。

栽培法

ノビル、アサツキ、ヤマラッキョウなどの強健植物に近い種の植物なのですが
唯一強い日当たりを好まず半日陰からそれ以上の日陰の場所に好んで生育しています。
特に夏の暑さには弱いので夏場は日陰が多くなる涼しい環境を作ってあげることが大切です。
寒冷紗など使うのも良いと思いますが多少は日照も必要ですので遮光は50%までにしてください。
また、強風に弱く葉が折れることがありますのであまり風の当たらない場所が望ましいです。
土は有機質の豊富で水持ち水捌け良く多少砂質交じりの土が生育がよくなります。
根腐れの心配はないようなので乾燥が心配な場合は水持ち優先の用土でもかまいません。
雑草や下草は空中湿度を保つのと土壌の乾燥を防ぐため多少なら逆に生やしていた方が良いです。
ジャノヒゲとの混植も相性良く生育が良いです。ただし植え替えが大変になります。
肥料は土が肥えていればいりませんが化成肥料は嫌うので有機肥料を与えてください。
他の山菜にもいえることですが発酵済みの牛糞ならば多量に与えても問題ないので安心です。
増殖は実生と株分けで実生は夏に果実が熟したら種を取り出して一晩潅水処理してから撒き
覆土した上に軽くマルチングをして乾燥を防ぎます。
株分けは秋から冬に、手で株分けを行うと根のつきにバラつきがでやすいので刃物を使う方が無難です。
種子は休眠を必要としませんがユリと同じく一年目は発根だけとなりますので発芽は翌年以降になり
大量には増やせますが収穫までも発芽後さらに4年前後かかります。

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