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ブルーベリーの育て方

苗木選び

    品種がはっきりしているもので栽培地にあった系統、品種を選ぶようにします。
    南東北以南の初心者の方はまずラビットアイ系がお勧めです。
    ラビットアイ系は自家結実性(自分の花粉で受粉できるかどうか)がないため
    実を楽しむには異なる品種を2本以上必要になります。
    それ以外でも2品種以上あるほうが結実率がよくなります。
    主軸が太くしっかりしているもの、主軸からの枝もしっかりしているものが良いです。
    ポットから抜いてみて根がしっかり全体に回っているもの、根の成長は今後の成長に非常に重要な部分です。
    病害虫にかかっていないもの、葉の表面、裏面、枝を良く
    見て色がおかしかったりするものは避けたほうが良いです。

用土

    ブルーベリーは通気性(排水性)と水持ちが良く酸性で有機物に富んだ土を好みます。
    条件が難しそうですが無調整ピートモスはこの条件のほとんどをクリアしており
    鹿沼土などで通気性をさらに補ってやるだけで普通の栽培では問題ありません。
    ピートモスは普通目の細かいものが良いピートモスとされますが
    細かいと分解のスピードも速く、泥化しやすいためブルーベリーに限っては目の粗いものが良いです。
    また、赤玉土も泥化しやすく、鹿沼土の代わりに使うのはお勧めできません。
    中性またはアルカリ性の土に植えた場合、ほとんどの場合成長せず
    そのまま枯れていくので絶対に酸性用土に植えてください。
    よく間違われた表現に「ブルーベリーは水を好む」とありますが水を好むというより乾燥を酷く嫌います。
    ブルーベリーの根はかなり細かく、酸素を必要としているので水持ちより通気性を重点に置いた用土で
    こまめに水をあげるほうが良い成長を見せます。
    しかし、最初からそこまでしなくとも無調整ピートモスを主体に鹿沼土を混ぜた用土で十分です。
    栽培に慣れてきたら上記のことも考えてあげてください。
    ピートモスは乾燥していると水をはじく性質がありますので水とよく混ぜてから使ってください。

植え付け

    小苗をいきなり路地植えにしたり大きすぎる鉢に植えると
    根の水分吸収量に対して水分が多すぎて根腐れを起こす可能性があります。
    1年生で5〜6号鉢(15〜18cm)までが適正です。
    ラビットアイ系などの樹勢の強いものは2年生から10号鉢(30cm)でもよく成長してくれますが
    普通は3,4年生ぐらいから10号あたりに鉢増しすると良いようです。
    路地植えにする場合も3,4年生まで鉢植えで育てた方が安全です。
    鉢は根巻が起こらず、安価でブルーベリー以外にも使いやすいとんでもないポット(CSポット)がお勧めです。
    これ以外使ったことがないので聞いた話ですが素焼き鉢は鉢自体の通気性が良すぎて土すぐ乾燥してしまう、
    木製の鉢は木目に根が入り込んで簡単には抜けなくなり最悪壊さなくてはならなくなるようです。
    ブルーベリーはお日様の光が大好きなので路地植え、鉢植えとも日当たりのいい場所においてください。
    ただし、暑さに弱い一部の品種は夏場は半日陰になる場所の方が生育がよくなると思います。
    路地植えの場合は寒冷紗などで遮光してあげるのも良いと思います。

マルチング

    ブルーベリーは根を浅く張り、乾燥を非常に嫌います。
    そのため表面の土がすぐに乾燥しないようにマルチングをしてあげるとブルーベリーはとても喜びます。
    また、乾燥防止以外にも土を外気から守り、温度を安定させたり、雑草、害虫よけの効果も期待できます。
    安価に済ませたい人はワラやもみ殻などでもよいのですが
    広葉樹の落ち葉、腐葉土、広葉樹チップはブルーベリーの天敵であるコガネムシの幼虫を
    呼び寄せることになるので使わないでください。
    害虫防止用には燻製されたものや針葉樹のチップなどが効果あるようです。
    ただし一度燻製されたものを使用したのですが非常に軽く
    強風が吹くたびに飛び散ってしまい使用を中止しました。
    高価ですが鉢植えにはインテリアバーグも見た目がよく人気があります。

肥料

    一般的に売られているブルーベリー専用肥料で問題ありません。
    肥料自体もpH調整されており、ブルーベリーに必要な養分がそろっているため非常に楽です。
    こちらではホームセンターで常に安売りされていて小袋200円程度なのでいつもお世話になっています。
    専用肥料が手に入らない場合は油粕などの安価な有機肥料でも問題ないですが
    虫がわいたりカビたり匂いがしたりと多少問題もあります。
    また、マグネシウム不足で生理障害が起きる可能性があるので別途液肥など必要になるかもしれません。
    肥料で有名なマグアンプKは非常に良い肥料ではあるのですが
    ブルーベリーに限っては土をアルカリ性にしてしまうようで長期使うにはあまり向いていません。
    施肥の時期は芽が動き出す頃(2月中旬〜3月末)の元肥、収穫後の礼肥の2回に
    成長の様子次第では追肥もあげます。
    私の場合は普段の施肥以外に1〜2週に一度液肥の葉面散布と
    一ヶ月に一度BlueBerryHouseさんのパワーマグ液を土壌潅注しています。

潅水

    ブルーベリーは乾燥を酷く嫌います。
    しかし一部のハイブッシュ系では過湿にも弱いものもあるので注意が必要です。
    基本的に路地植えの場合、夏場の晴天が続いて土が乾燥している時以外は潅水の必要はありません。
    鉢植えの場合は土のある部分が限られ、その部分には全て根が張っている状態のため
    路地植えに比べ水分がなくなるのが非常に早いです。
    夏場は一日一回、暖地の暑さの厳しいところだと一日二回の潅水が必要になる場合もあります。
    プラスチック製の鉢植えの場合は鉢植え自体が軽く、土の重さがわかりやすいので
    重さで乾燥しているかがわかり潅水のタイミングがつかみやすいです。

剪定

    剪定は枝や葉が混んで通気性が悪くなり病害虫が発生しやすくなるのを防いだり
    枝や果実の成長を充実させるため、主軸の交代のために行います。
    花芽は枝の先端に付き、主に通気性や全体に光が当たるようにするためなので
    幅や高さを抑える目的以外では切り戻し剪定は行わず間引き剪定になります。
    剪定の時期は休眠期の間とし、このとき取った枝は
    休眠挿しの挿し穂としても使えるので保存、時期によってはそのまま挿し木も行えます。
    品種によってはこの剪定が非常に重要で、やらないでおくと病害虫だけでなく実の味にまで影響してきます。
    養分が木全体に十分にいきわたるように枝の数と花芽をしっかり減らすようにしましょう。
    冬の葉のない間はすっきりしてるように見えても葉が展開すると意外と混み合うのでばっさりいくのも重要です。
    主軸交代は勢いの良いシュートを残し、木化して数年たった勢いのない枝は切り落とします。

摘蕾と摘果

    摘蕾は1〜2年生では必ず行い、蕾または花が終わった直後の幼果を全て取ります。
    ブルーベリーは挿し木した翌年から普通に花をつけ果実を実らせることができます。
    しかし植物、動物全部に言えることですが子孫を残すという行動はものすごい負担がかかり
    ブルーベリーの場合1〜2年で実をつけると
    強健といわれる品種以外は間違いなく衰弱し最悪枯れる事も珍しくありません。
    樹勢の強いラビットアイ系で3年生から、ハイブッシュ系は様子を見ながらそれ以降に結実させるべきでしょう。
    また、成木になっても豊産性と言われるものの一部は
    自身が耐えられないほどの蕾をつけることもあり摘蕾が必要になります。
    大粒種もできるだけ大きな果実を狙うとなると栄養を集中させるためこれも摘蕾が必要になります。
    果実は太く充実した枝(シュート)についているものの方が良質なものができやすいので
    爪楊枝枝についている蕾を中心に摘蕾していくと良いでしょう。